事例2


技術分野パテントマップによる特許分析

技術分野毎の特許出願件数を比較することも、特許分析の対象としては有益です。今回は、x軸に特許出願人(実例1と同様)、y軸にFI分類を設定したパテントマップを作成してみましょう。

FIなどの特許分類についても「候補表示」ボタンをクリックすることにより候補を表示させることができます。集計対象の規模に応じて、「セクション」や「クラス」などの各階層で集計しパテントマップを作成することができます。今回は、電機大手企業各社の特許出願のパテントマップを作成するため、特許出願がなされている技術分野は多岐にわたることが想定されるので、まずはセクションレベルでパテントマップを作成するのが適切でしょう。

各社の特許出願件数を特許分類毎に集計したパテントマップは次のようになります。ただし、特許分類は1つの特許文献に対して複数付与されるものであるため、重複カウントが発生していることに配慮する必要があります。例えば、複数の特許分類にまたがる製品開発を行っている企業の特許出願件数が多めに集計されてしまいます。

このままではわかりにくいため、特許出願件数シェアのパテントマップを作成し比較してみましょう。すると、松下電工だけがセクションEの特許出願件数シェアが高いことに気づきます。また、各社どの分野にたくさん出願を行っているのかをパテントマップを作成することにより一目で確認することができます。

今回は、さらに特定の特許分類(G「物理学」)を掘り下げてみましょう。パテントマップウィザードを再度表示させ、特許分類としてFI分類の階層としてクラスを選択します、

早速、候補を表示させてみましょう。すると、H01やH04など、今回作成したいパテントマップの特許分類G以外の分類が多数候補として表示されてしまい、特許分類Gの候補を表示してくれません。

この場合、階層コンボボックスの右側の入力欄(H04がグレーで入力されている)に「G」と入力してから候補表示ボタンをクリックしてみましょう、するとGから始まる特許分類のみが候補として表示されます。

件数として多い、FI分類G21まででパテントマップを作成してみましょう。また、y軸を分類名順(G0xの連番)に並び替えましょう。

この条件でパテントマップを作成し、棒チャート、100%でプロットすると下記のようになります。分類G21「原子核工学」に属する特許出願は東芝と日立にしかありません。原子力発電所関係のプラント事業を持っているのは今回分析対象とした電機各社の中では2社のみであるため、特許出願もこの2社からのみ行われているようです。

では、さらにG21の内訳のパテントマップを作成してみましょう

G21Cの下位階層でパテントマップを作成すると、特に東芝と日立の特許出願件数差は主にG21C「原子炉(そのためのアナログ計算機・・・)」に起因していることがわかります。では、さらにG21Cの下位層の特許出願件数をパテントマップを作成し比較してみましょう。

パテントマップを作成すると、出願件数差はG21C17「監視:試験」に起因していることがすぐにわかります。

G21C17の下位階層のパテントマップを作成してみます。すると、G21C17/00の東芝と日立の特許出願件数差が顕著です。しかし、ちょっと特許分析作業を待つ必要があります。

なぜならG21C17/00は特許分類としてはG21C17/XX以降のすべてのサブグループの件数もカウントしているため今回のサブグループ分析の対象としては不適切なことがわかります(G21C17/10,C17/02,C17/06,C17/12に含まれる文献は全てG21C17/00にダブルカウントされている)。

G21C17/00を抜いて特許出願件数のパテントマップを作成してみましょう。すると、G21C17/10「燃料要素・・・」に属する特許出願ついて特に東芝と日立との間で特許出願件数の差が生じていることがすぐにわかります。

さらに、G21C17/10の下位階層のファセット記号でパテントマップを作成してみましょう。すると、全体として東芝の方が特許出願件数が多いもののG21C17/10より下位層においては東芝と日立との間で特許出願の特許分類毎の割合が大きく異なる領域がないことがわかりました。

G21C17/10における東芝と日立との特許出願件数推移を時系列で比較すると、この件数差に何らかの知見が得られるかもしれません。東芝と日立のFI分類G21C17/10の母集団を作成し、時系列でパテントマップを作成してみましょう。

パテントマップを作成した結果、1991年以降、一貫して東芝の方が特許出願件数として優位にあることがわかります。1994年以降の特許出願件数推移が両社で同期しているように見える点が興味深い点です。

パテントマップを活用し、この時点で特許分析対象の母集団を335件まで絞り込むことができました。時系列推移でも特許出願件数差の特徴がわからなかったため、これ以上の特許分析を大局的に行うことは難しそうです。

これ以降は、この特許検索母集団335件を1件1件閲覧し各社の特許出願傾向を把握する作業が必要となります。300件以下の母集団に対しては特許テキストマイニングを活用することにより効率的に小規模な特許母集団の特許出願傾向を把握することが可能です。

今回はG21C17/10で抽出した「特許公報」110件を対象として特許を可視化しました。最終的な特許文献閲覧を行うにあたり、少なくとも特許庁の審査官によりその特許出願時点での進歩性が担保されている特許公報から目を通すのは有益な場合が多いといえます。今回の場合は、日立と東芝の特許文献の分布も類似しているため、最終的な技術動向を把握するには一件一件の特許文献閲覧が必要となります。

特許出願人毎の色分け

特許検索方法 入門編

特許検索方法 初級編

特許検索機能(特許データベース)

特許分析機能